因みに「キンタマ」というのは、作者の金子氏の逮捕で話題を呼んだP2Pファイル共有ソフトのWinnyを対象としたトロイの木馬型のウィルス(というかWorm)で、一年ほど前に、結構感染者を出したもの。新種の「仁義なきキンタマ」が最近感染者を出しているらしい。名前からして、仁義がなさそう。早速、沢山のサイトが話題にしている。そういえば、金子氏の逮捕の時は、私もコメントを出した。彼が、立ち上げに私も少しお手伝いをした、通産省(IPA)のいわゆる天才ハッカー養成プログラム(未踏プロジェクト)の卒業生なので、我々は結構慌てた。(因みに、もう一人の未踏天才ハッカーが、当時、私の会社で著作権を守る側のP2Pシステムを対照的に作っていたのでもある。)
何年か前から、「ブロードバンド・ボトルネック」という言い方で説明してきたが、P2Pは、Webでは、沢山のブロードバンドアクセスが一カ所に集中するとサイト側の方でパンクしてどうしようもないという、ブロードバンド時代の致命的な問題を解決する唯一といってもいい技術なんだが、なかなか、アンダーグラウンドなイメージが付きまとい、どうもプロモートしづらい。私がプロモートするからイメージが悪いと皮肉を言われたこともあるが。P2Pは悪役のイメージがぬぐえないが、アメリカではファイル交換企業がビジネスを開始しており、著名な計算機科学者達がこれらの企業の支援を表明している。私もファイルローグ裁判の時には、東京地裁に意見書を出したものだ。
因みに、私が研究代表者として3年がかりで政府予算で作った、著作権管理型のP2PプロジェクトでのV2P技術の研究成果を4月頃には、一般公開する予定。成果の一部は過去に論文としても発表されている。全世界無償ライセンスのデモ版も提供するから、少しはP2Pの表舞台での普及に役立ってもらえると嬉しい。成果発表時に説明するが、このシステムは、「キンタマ」のようなWormを構造的にかなり作りにくくしているのも特徴だ。また、PDAも対応で、オランダのパートナーはBluetoothが内蔵された欧州版CLIEにのせてみるとか言っていた。今更CLIEと思っていたら、一昨日別な話題でトラックバックした週刊!木村剛見てたら、CLIEが今また売れてるらしい。もちろん、V2P方式は、最近話題のPSPでもいけるし、プラットフォーム化してあるから、対戦型P2Pゲームのプラットフォームにもなる。これも、プライバシー情報などを守ったP2P型対戦ゲームというのは、未来性のある方向性だと思う。
それでは、以下に、今日発見した「仁義なきキンタマ」について解説しているサイトをいくつか列挙しておこう。
http://nemoba.seesaa.net/article/2479117.html
http://www.pblog.net/mt/archives/002542.php
http://pxp.seesaa.net/article/2519230.html
http://wsn.31rsm.ne.jp/~chapel/mt/archives/200503/18-011338.php
http://hiyokokun.blog2.fc2.com/blog-entry-187.html
http://www.jetman.jp/blog/archives/2005/03/post_153.html
それぞれ、参考になるはずだ。
http://wsn.31rsm.ne.jp/~chapel/mt/archives/200503/18-011338.phpに出てる、トレンドマイクロのKウィルスの説明の下の方のファイル名例は、リアルで、P2Pの現在の使われ方をよく示唆しているといえるので、要チェック。
当方の勇み足で失礼しました^^