ちょっと技術的な話で申し訳ないが、更新Pingであれば、XML-RPC (XMLによる遠隔手続き呼び出し)Interfaceで定義されているweblogUpdates.pingでは、
weblogUpdates.ping (weblogname, weblogurl, changesurl=weblogurl, categoryname="none") returns struct
To tell Weblogs.Com that a weblog has changed, call weblogUpdates.ping on rpc.weblogs.com, port 80, path /RPC2.
と定義されている。トラックバックPingなら、
MovableTypeのTrackBackの定義では、
To send a ping, the client sends an HTTP POST request to the TrackBack Ping URL. The request contents should be of the content type application/x-www-form-urlencoded.
と書かれている。HTTPプロトコルのただのPostというやつだ。(2003年1月まではGetも使われていた。)私のWeblog(略してblog)を更新しましたよ(更新Ping)とか、あなたのWeblogについて私の方で何か書きましたよ(トラックバックPing)というのを、ごく普通のHTTPプロトコル上にXMLフォーマットで情報を送ることによって実現しているのが、ブログのPingだ。だから、ICMPピングとは何の関係もない。Pingなどという紛らわしい言葉をXML-RPCの人たちが使ったからいけないのだけど、混同するのはやめよう。
ところで、ICMPピングは、一時、クラッカーがターゲットのサーバを落とす攻撃に使っていて、巨大なIPパケットを相手に送り付け、対象のマシンを落とす攻撃が、Ping of Deathと言われていた。現在でも、警察庁のサイバーポリスの攻撃カウントには、ICMPピングの数が数えられている。ただ、レイヤーがHTTPレイヤーとなっても、バンバンPingを打つという概念はどうも、私の世代では、無駄なトラフィックを発生させて、良くないものという常識が邪魔してしまう。それを、XML-RPCコミュニティやMovableTypeの若者たちは、Pingを沢山打とうよというのを仕様にしてしまうのだから、我々ARPANET時代の旧世代には、常識外だ。すごいことだ。だからこそ、ブログというメディアが今後、益々発展していく可能性を秘めているのだろう。常識の中に居座っていると、その場所にいること自体が壁や限界を作っていることに気がつかないものだ。なんとアメリカでは、ブログ記者が、史上初めてホワイトハウス記者会見に出席したということだ。これも日本のマスコミの常識外だろう。 ブログはアメリカでは市民権を得たということだ。
フジテレビvsライブドアを見てても、ライブドア世代のやろうとしていることは、CMひとつにしても、フジテレビ世代には、常識外なのだろう。私には、だからこそ、凄い可能性を秘めているように見えるのだが。
因みに、ブログはPingを利用した双方向コミュニケーションを実現しているので、P2Pの方向性上にある。現在の主流は、このlivedoor Blogのように、あくまでもWebサービスであるので、昨日書いたような「ブロードバンドボトルネック」からは抜けられず、サイトに巨大なMPEG動画を置いておくわけにはいかない。各ブログユーザーがブロードバンド配信したら、回線はパンクする。ただ、将来は、各個人がMovable Typeなどを自分のマシンにインストールしてブロードバンド接続するならば、十分にP2Pの一つの方向性になり得るものだ。XMLのパーザは何度も書いたことあるし、HTTPサーバづくりは得意だから、暇な時に、自然言語処理でもつけて、PDAか携帯用のP2PのWebloggingサーバでもつくろうかな。