コメントに書き込みのあった、「株式会社の正当性と所有理論」有井行夫著(青木書店)を読んでみた。今まで読まない方面の経済学理論であったが、読んでみたら、大変参考になった。1991年刊行のこの著書では話題にされていないが、配当が優先的に支払われる優先株や2002年の商法改正で、優先株でなくても発行できるようになった無議決権株式、また、これらの普通株式への転換予約権などを考慮しながらも、読んでみると、なかなか、有井先生の所有理論は興味深いものがある。

 堀江君のニッポン放送買収は、賛否両論あるが、経営もしくは支配と所有の分離という観点において、現代日本における巨大株式会社の問題にいろいろな風穴をあけたという点で多いに評価できるものである。