フジテレビが買収防衛策・発行可能な株数1.5倍に

買収防衛策として、1.授権株式数を現在の600万株から900万株に引き上げ、取締役数の上限を35人から20人に削減、3.取締役の任期を2年から1年に変更、ということだ。 

フジテレビの現在の実際の取締役の数は、22人
だから、取締役数の上限を22人にするということは、6月の総会で二人減らしてからは、買収されても、株主は、新しい取締役を入れられないということだ。取締役の選任は、持ち株比率51%でできるが、既存取締役の解任は、株主の2/3以上の同意が必要だからだ。だから、66.6%超の買収を成功しない限りは、フジテレビの取締役はそのまま全員残るということだ。

要するに、この取締役数の上限を現在の取締役数に合わせて削減というのは、明らかに、株主から、現取締役会に向こう1年間全権限を移しますよということ。

これは、会社買収防衛策とは呼ばない。取締役会防衛策だ。買収して新たに株主になる株主どころか、既存株主と取締役会との意見の相違があっても、既存株主さえ、総会の2/3押さえなければ、自分たちの意見を反映する新任取締役を入れることさえできない。

もう一つ、注意して読むべきなのは、授権枠の拡大という買収防衛先という言葉に隠された今回もう一つの方策。これも、買収防衛策というよりも、権限を取締役会に移す施策といえる。授権枠というのは、発行する株式の総数のこと。だから、これを超えて発行するのには、定款の変更、つまり総会の2/3以上の特別決議がいる。

授権枠を一度、総会特別決議で大きく取っておくと、そこから先は、授権枠の範囲内なら、株主割当増資などの、特定の株主に有利になるわけではない新株発行は、取締役会決議だけでできる。例えば、誰かが51%を持っていたとしても、取締役会決議で、授権枠一杯まで、株主割当増資されれば、その51%を維持するには、さらに、新しく発行される株式の51%を買い取らない限りは、持ち株比率がさがる。

つまり、これは、買収防衛策にもなるけど、既存、筆頭株主の持ち株比率を下げるのにも使える。持ち株比率が多い株主ほど、沢山のキャッシュを払わないといけないから、払いきれない場合は、その株主の持ち株比率を下げられる。つまり、過半数を抑えられても、取締役会決議だけで、過半数を割らせることもできるし、ましてや66.6は取らせないということだ。持ち株比率が高ければ高いほど、これをやられると余計にキャッシュを会社にいれなければ、比率が維持できないわけだ。

定款上の取締役数を現在の取締役数22人にぴったり合わせて20人に減らし、新に授権枠を1.5倍も大きくするというのは、これは、明らかに、敵対的買収防衛策というよりは、既存取締役温存策としか読めないぞ。

テレビ業界のような寡占的業界ほど、資本市場の論理を導入して、敵対的買収を含む資本市場での自由競争を導入しないと国益が損なわれることは、前に、ハーバードの有名な論文を引用して書いた。市場原理が業務市場空間で働かない以上、資本市場空間で働かせないと企業の生産性が維持されないという論理だ。特に、資本市場での自由な競争を阻むような権限を取締役会に権限を独占させることは、株主の為にならないのは当たり前で、その上、視聴者の為にも、長期的には社員の為にもならない。勿論、国益には完全に反する。今回の方策は、敵対的買収からの防衛という隠れ蓑に実施される取締役会による会社の私物化にも読める。フジテレビ株主は、このような提案を株主総会で受け入れるべきではないだろう。

堀江君、フジテレビが、和解したという言葉をそのまま鵜呑みして、バイオで安心するのは、まだ早いと思うぞ。まさか、日枝会長が任期で退任しないで、このまま居座るだけのために「買収防衛」の言い訳で、定款変更までやってるとは思いたくないけど。

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