なんと、TBSに続いて日本テレビ報道局までもが上祐を生出演させた。視聴率競争で日本テレビ報道局も狂った。報道が絶対にやってはいけないことをやってしまった。これで、日本テレビ報道局も今後は出演をお断りするしかない。 殺人カルト代表の上祐を生出演させ、自由に発言の場を公共の電波で与えたということは、彼ら殺人カルト教の宣伝の場にテレビ電波を提供したということだ、これは、TBSも日本テレビ報道局も社会に対して犯罪を行ったのだ。
勿論、TBS,日本テレビ報道局の本音は視聴率以外の何者でもないことは、上祐が映っていない場面でも画面の左上に上祐の顔を映し続けた、『きょうの出来事』の画面の作り方からも明かだが、建前は、「両論併記」ということだろう。ただ、この問題では両論併記の論理は全く成り立たない。最高裁で「オウムは極刑に値する」という決着がすでに着いた後だ。オウムの主張を両論併記と考えること事態が頭がおかしいと私は思うが、どちらにしても、最高裁で決着した後に両論併記するという言い訳は成り立たない。もはや賛否両論をやる段階ではないのだ。TBS、日本テレビ報道局がやったことは、その国民の判断に異論を唱え、極刑として判断されたオウムに、この期に及んで広報の機会を与えたということだ。
ただ、問題なのは、これは広報の機会というレベルではすむ話ではないということだ。『洗脳原論』、『脳と心の洗い方』や、今月号のPHP研究所『Voice』に書いたように、上祐に日本国民に対して「洗脳」する機会を与えたということだ。日帰り出張中でTBSの夕方の放送は見ることができなかったが、日本テレビの『きょうの出来事』をみたが、一番やってはいけない出し方をしていた。つまり、アップで上祐の顔を画面全面に映しだしていたのだ。これは、『Voice』に書いたとおり、ストックホルム症候群を引き起こし、上祐に対して同情的な世論をつくる画面の作りである。 我々は、テレビや映画のような臨場感世界を体験するとその世界で主人公として映されている人物に対して強い親近感をもつのだ。この心理状態がストックホルム症候群のカラクリでもある。だから、犯罪者やカルト教祖をテレビ画面にアップで映してしゃべらせてはいけないのだ。こんなことはテレビマンなら常識だ。分かっていてやったのだから、日本テレビ報道局は確信犯だ。特に上祐のようなカルト指導者はこういった機会を利用して信者獲得をする洗脳技術に長けているのは常識であり、このように、生出演させて、何の編集もせずに言いたいことを言わせていたTBS、日本テレビ報道局は重大な社会的犯罪を行ったのだ。その上画面にアップで上祐を映し画面の主人公として扱ったのはオウムの洗脳に積極的に手を貸したということだ。
日本テレビ『きょうの出来事』では、上祐が画面取りきりアップで延々と映り、画面の主人公としてオウムの宣伝をしている間、批判する江川さんにはカメラは行かず、上祐のアップが画面に映り、それを声だけで江川さんが批判をくり返しているという絵になっていた。 江川さんの上祐に好き勝手にしゃべらせないという努力は評価するが、その時、画面全体に映っている主人公を声だけが批判している絵は、かえって上祐を主人公として際だたさせて、視聴者の同情を集めるストックホルム症候群を生み出す画面であった。つまり、上祐が視聴者を洗脳するという番組のつくりとなっていた。こういった画面の演出の仕方も含めて、日本テレビ報道局の社会的な罪は、スタジオ生出演させたTBSと同様に重い。
勿論、TBSはスタジオ生主演でTBS社内に上祐を引き入れた。これは私にはどうしても許せない、大変な社会問題だ。殺人集団オウムの現リーダをTBSの社内に引き入れたのだ。堀江被告を呼ぶのと話が違う。これだけでTBSの株主は怒るしかない。すぐに臨時株主総会を招集して株主はこの問題を追求すべきだ。TBSが上場企業である以上、東証も問題にすべきだ。監督官庁、国会も二度と繰り返されないようすぐに重大な問題として取り上げなければならない。勿論サリン被害者は絶対にTBSを許さないだろう。更にTBSの番組では、スタジオで生出演の上祐とTBSのキャスターが並んで映っていたという話だ。このようにスタジオに並んで映るというのは、「我々はオウムとお友達」と宣言している絵であるのは、テレビ関係者であれば皆思うことである。TBSが確信犯でなかったとすれば、スタッフが上祐に洗脳されたということだ。
日本テレビはホテルの部屋らしきところで、中継ということでその意味では距離を置いていたが、上祐を画面の主人公として扱う顔のアップで画面取りきりの作りは、上に述べたように上祐の宣伝にしかなっていないのだ。というよりは、上祐の生中継による視聴者への洗脳に積極的に手を貸したということだ。こういったことを、私が今初めて問題としたわけではない。サリン事件当時から、上祐をテレビの画面に出すなと何度も各局には直接抗議をし続けてきたし、また、もしも、どうしてもテレビで報道するなら、決して生出演はさせず、テロップなどでオウムを批判する絵の中で、画面全体に絶対にアップにせずに、引きの画面で、できるだけ画面の中で小さく扱い、また、声も変えるべきであると何度も何度も言ってきた。
私のいうことをTBSも日本テレビ報道局もバカにしてきたとしか思えない。両報道局とはちゃんと付き合ってきたつもりだが、バカにされてたということだ。勿論、世論も監督官庁も明日から黙っていないと思うが、これだけ、我々専門家が10年間に渡って注意し続けてきたことを無視して、敢えてやるとは狂ったとしか言えない。ポケモン事件の時は、民放連のサブリミナル自主規制の策定には私も大分手を貸した。その時もこの問題は何度も関係各所に伝えたはずだ。私は憤りをどうしても隠すことができない。TBS、日本テレビ報道局は視聴率しか考えない確信犯であるか、知能指数の足りないただの幼児である。どちらにしても、今後は、社会は、二度と繰り返させないように、TBSも日本テレビも厳しく制裁し、躾けるしかない。その為には、国会でこの問題を徹底的に追求して、決着が着くまでは放送免許をとりあげるべきだ。公共の電波で絶対にしてはいけないことを、TBSと日本テレビは行ったのだ。これは絶対に許すべきではない。