「FORTRAN」開発のジョン・バッカス氏が死去、82歳

最初の高水準言語である、数式を処理する為の、文字通り、Formula Translationの、FORTRANをバッカスが開発したのが、1954年。私が最初に学んだプログラミング言語は、このFORTRANだった。ずっと使ってないけど、懐かしい言語だ。アメリカで中学1年の時。まだ、FORTRANを簡略化したBASICは発明される前だった。

知識を処理する為のリスト処理をマッカシーがダートマスでの第一回人工知能会議で考えたのが、1956年、インプリメントが1958年。COBOLは、1959年、ALGOLは1960年。因みに私が生まれたのは1959年。 FORTRANは現在でも特にベクトル演算を利用する科学技術演算では現役だし、LISPも、もちろん、特に人工知能分野では、Common Lispとして健在だ。実行時メタオブジェクトプロトコルを完全実装したCLOS(Common Lisp Object System)によるフル動的オブジェクト指向言語として、特に重宝な言語だ。第一次湾岸戦争以来の米軍のCALSシステムは、Common Lispで記述されており、ミッションクリティカル言語でもある。

COBOLで開発されたレガシー系は、SAPで取って変わられる時代になったが、SAPは、COBOLモドキで書かれていることはあまり知られていないようだ。SAPが最初に開発される時に、IBMのCOBOLのライセンスが高すぎたのか、受けられなくて、モドキを自分で構築したことからそうなったらしい。その意味では、COBOLも現役バリバリだ。初期の計算機言語設計者のフィロソフィーは素晴らしい。私がCMUにいたときはまだ大学にいて、CMU版Emacsを作っていた、James GoslingによるJava(Oak)は、当初、Denotational Semantics が証明されていないなど、見切り発車だったけど、現在は、立派な動的高水準プログラミング言語として育った。MOP完全実装はまだだが。

因みに、プログラミング言語の、高水準(High Level)というのは、マシン語に比べて抽象度が高いという意味。抽象度という概念については、29日発売の『洗脳力』でも大分ページを割いたぞ。