ただし、KeyHoleTVは、著作権保護の立場から、元々、アナログ停波の今年7月までの試験的プロジェクトであり、サービス停止をそろそろ考えないといけない。
また、KeyHoleTVの運営は、広告なども一切ない完全無償運用を2004年から続けてきたが、10ギガビット秒レベルのネットワーク運営、米国からのメンテナンスへのパートナー企業への支払いなどの直接費用などで、月額100万円以上かかっている。私が全額負担してきているが、それだけの資金は、東北地方への直接支援などを優先すべきではの声も上がっている。
また、米国パートナーも原価以下であらゆるネットワーク関連作業や新プラットホーム対応開発などをやってくれているが、最近はアクセスも急増し、作業負担量も収支も限界ということだ。米国では寄付も募ったようだが、芳しいという話は聞いていない。
このような状況下、また、アナログ停波が、近づいてきた現在、アナログ波の同時再送信のみに事実上利用されているKeyHoleTVは、サービス停止が秒読みとなったと理解して欲しい。本来は独自コンテンツの配信に利用して欲しかったが、視聴のみの受動的利用にとどまった。リアルタイム送信はKeyHoleTV、独自コンテンツはストリーミングなどのサイトという住み分けかも知れない。
今回の地震で遅延のないデジタル放送の重要性と、それが可能なことをKeyHoleTVが示めしたので、サービスの役割は果たしたと思う。
もちろん、KeyHoleTVのエンコーディング離散数理や動的ネットワーキングアルゴリズムは現在でも先進的であり、また日々進化しているので、研究開発は継続していく。
また、今後は政府に、地上デジタル放送の遅延問題の解決に向けて更に働きかけていきたいと考えている。
また、著作権者自身による配信には技術を供与していく予定だ。
その第一段として、日本国際放送(JIBTV)による、海外向けのNHK WorldのKeyHoleTVによる配信が検討されているが、期間限定試験運用として、海外での試験視聴者の募集が開始された。英語で視聴出来るので、日本に家族のいる外国人には、原発事故情報などの視聴に役に立つはずだ。あくまで試験なので、無料だ。
これはあくまでも、人数、期間限定の試験放送であり、サービスは予告なく停止することもあるのと、ネットワーク負荷により、募集そのものも予告なく停止することは理解して欲しい。
また、上に述べたようにKeyHoleTVそのものもサービス停止に秒読み段階であることを理解して欲しい。
NHK World/JIBTVのKeyHoleTV技術による試験放送の参加者募集URLは以下、
日本国外在住者限定だ
http://www.newpeopleworld.com/2011/04/04/keyholetv_testusers_us/