シドニー円一時、87円台 ドル買い広がり円安進む
http://www.asahi.com/business/update/0102/TKY201301020023.html

円安が進んでいる。メディアは米国が財政の崖を回避出来る見込みだからドル買いが進んでいると書くが、円安が進み始めたのは、もっと早く、11月からだ。もちろん、日本の衆議院総選挙期間中、メディアが自民応援を進め、自民の圧勝が確実になった頃からはどんどん円安が進んでいる。その頃は米国の財政の崖問題は未解決だった。現在でも実際に米国が財政危機を回避出来るかは分からないというのが事実だ。

円安に振れ始めたのは、TPP推進を決めた自民を政権に戻す、近々の解散総選挙が予想されるようになった11月からであることをクロノロジカルに認識しなければならない。解散総選挙が決まり、自民の圧勝が決まってからは、円が対ユーロでもどんどん売られている。これはアメリカの財政の崖の話とは関係ない。

世界の投資家は、TPP推進、増税、電力政策の逆行で、日本の経済のファンダメンタルズがこれから弱くなると読み、円から逃げているのというのが実情だ。政治を憂える私としては、TPP、増税、原発推進は止めなければと、実際に政治行動に出たのは周知の通り。一方、投資家としての私は、他の先見性のある投資家と同様に、冷静に行動し、10月末には70円台底の時に、それなりの金額の流動資産を円からドルに変えた。自民党政権になりTPPの本格的推進が容易に予想されたからだ。他の世界の投資家も同様だ。彼らに対する私のアドバイスも10月末からはそうだ。そういうプロの投資家達は3ヶ月で15%は為替差益を出している。

誕生したばかりの安倍政権を見守りたい気持ちは私も変わらないが、世界の投資家が円売りに走っている事実を冷静に見つめなければならない。