レギュラーの今週のMXテレビ木曜バラ色ダンディで引用した、マレーシア航空MH-17を落としたのは、Su-25攻撃機ではないかというドイツの報道の話(http://news.livedoor.com/article/detail/9107633/)に対して、ツイッターに、「バカ」、「アカ」という書き込みが複数来てる。もう少し論理的なものだと、Su-25は高度7000mが上限だし、遅くて時速905kmのボーイング777には追いつけないという書き込みが多かった。

実際は、最新鋭のSu-25Tでなくても、ウクライナも持っているSu-25UBM1などはボーイング777がレーダーから消えた高度33000フィート(10000m)を飛べるし、時速970km出るのに、何でそういう書き込みがと思ったら、ソースはWikiだった。7月21日に欧米メディアで地対空ミサイル撃墜説が有力になるのに合わせるかのように、英語と日本語のWikiで、Su-25の上限高度が10000mから旧式機種の7000mに変更されていた。何らかの政治的背景があるように見える。その頃から欧米でSu-25では高度から無理との報道がされている。そういうのを読んだ人が、書き込みをしてくるようだ。

これらの書き込みは、私がMXテレビで問題としたことと的外れだ。欧米では、MH-17撃墜の理由が、航空機からの装甲貫通弾によるもの、同じく空対空ミサイルによるもの、そして、地上からの地対空ミサイルによるものと色々な可能性がメディアで取り上げられ、最終的に地対空ミサイルという説で(どうも政治的に)落ち着いたという背景がある。それに対して、ドイツの軍事専門家が、墜落機材を調べて、地対空ミサイルではなく、攻撃機からの攻撃によるものではないかと再度反論したのを、MXで紹介したのだ。

私がMXテレビで問題にしたのは、政府はアメリカとの関係からアメリカが採択した説を採用するのは理解可能だが、メディアは、これらのこれまでの両論さえも全く報道していないということだ。実際、海外メディアでは、航空機からの攻撃の可能性も再三指摘されているのに、ツイッターなどで来る書き込みは、私がソースもなしに言っているかのようなものばかり。海外メディアを読んでいないのと、一度日本の新聞やテレビで報道されたことのみが真実と思っているのだろう。だからこそ、日本のメディアは、政府の立場とは関係なく両論を独自調査し、検証せねばならない。

またスホーイSu-25が2機近くにいたというキエフ管制塔のスペイン人管制官の話を、MXテレビで同時にしたので、Su-25の上限高度や速度の書き込みのことばかりがたくさん来た。ただ、上限高度18000m、マッハ2.3のSu-27迎撃戦闘機がMH-17の近くにいたという情報まで流れているのだから、そもそも、攻撃したのがSu-27だったら全く当てはまらない論点だ。これらの海外メディアが実際に報道している可能性を全く無視して、Wikiをソースに私をバカ呼ばわりする人は論外としても、日本の大手メディアの結論だけを鵜呑みし、それに反する私を「バカ」、「アカ」だとする書き込みが多く来たのは、日本における世論操作の容易性を示唆し、恐ろしいものがある。


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