既にメディアでご存知の方も多いと思いますが、本日未明、MXテレビ木曜ダンディで共演中の今井雅之さんが大腸がんで亡くなられました。心からご冥福をお祈り致します。

今井さんとは、三週間前の木曜ダンディ生放送でお会いしたのが最後になりました。番組を集中治療入院で二週間お休みされるということで、番組終了後に楽屋にご挨拶に伺ったのが最後になりました。恐縮され、また、大変嬉しそうにされていた笑顔が強く印象に残っています。

その一週間前の番組の時から、本番前はスタジオへの行き来も車椅子で、大変辛そうなご様子でした。特に最後に出演された番組の時は、打ち合わせ中も意識がたまに遠ざかるご様子で、思わず下を向かれることもあり、鎮痛剤もしくは抗ガン剤がかなり効いているのだと感じていました。

最後の週は、スタジオまで、前週と同様に車椅子で行かれ、助手の方に助けられて、本番の席に着かれたのですが、放送が始まると、それまでの辛そうなご様子を一切見せず、お顔は痩せて、本番前のお姿を見ている私たち共演者には痛々しい程でしたが、終始笑顔で、はっきりとした意識で、ジョークまで言われる姿は、まさにプロの役者とはこういうものなのだと感銘しました。それがまさにプロの役者の最後のステージになってしまったことは大変残念です。

退院したら、リッツカールトンのバーでラフロイグ30年をご馳走するとお約束をしていたのが叶わず、最後にお会いした時のご様子から覚悟はしていましたが、まだ、私自身は、今井さんが亡くなられたことを受け入れられずにおります。最初に訃報を受けた時も、同姓の元社員が交通事故にでもあったのかと思った程です。

テレビメディア出演に懐疑的であった私を、梅沢富美男さんと共に受け入れて下さり、本来のあるべき姿からどんどん遠のいている感のあるメディア改革の戦友とさえ感じておりました。MXテレビ木曜ダンディも、最初は様子見のつもりでレギュラーになりましたが、そのままいつの間にか木曜日の出演が当たり前の生活になっていたのは、今井さんの存在が大変大きかったとあらためて実感しています。

夏には、今井さん脚本、主演の映画『手をつないでかえろうよ〜シャングリラの向こうで〜』に、梅沢さんと合わせて出演を依頼され、台本も受け取って、大変楽しみにしていました。出演そのものというよりは、今井さん、梅沢さんとの共同作業が大変楽しみでした。それが叶わないということも、まだ受け入れられずにいます。

本日の木曜ダンディ生放送は、スタッフ一同、明るく、いつものようにふるまうことが、今井さんが期待されていることであると思います。もちろん今井さんご自身も、今日も出演されるつもりで、未明まで頑張られていたのだと思います。今井さんの役者魂しいに敬意を表して、笑顔で今日も出演致します。

苫米地英人
認知科学者